工事業者の選定について相談された時に共通していたのは、コンサルタントから推薦を受けた工事業者について納得できる説明がなかったという事と、
工事業者の選定過程で組合側の要望が聞き入られなかったという事の2点でした。
この話の前に、まず大規模修繕工事を施工する工事業者についてですが、大きく分けるといわゆるゼネコンと改修専門業者になります。
ゼネコンは建築・土木・設備その他を含めた総合的な建設業者であり、改修専門業者は大規模修繕工事に特化した建設業者というところでしょうか。
ゼネコンについてはスーパーゼネコンと言われる大手から中小まで、皆様も一度は聞いたことのある会社が多くあります。
改修専門業者は全国区で展開する大手と、地場とその周辺で活動する企業に分けられます。
改修専門業者の多くは塗装業を専門にしていた業者が、大規模修繕工事の分野に特化して進出したという経緯が多いようです。
ここ1~2年での私の事務所での見積もり依頼の状況ですが、ゼネコンさんに見積もり依頼をしても最初から断られるか、
見積もりをもらっても改修専門業者の3~4割増という事が続きました。はっきりと特命工事でないと受ける気はないという企業もありました。
自分たちが下請けとして使っている業者と同じ土俵で戦って勝てるわけがない、住民対応の難しさ(非常に手間がかかる)やアフターサービスの事、
現在のゼネコンさんにおける建設業界の状況(こなしきれない仕事の数と職人・管理技術者の不足)から考えると、仕方のないことだろうと思います。
続く